永瀬内科|院長の日記

院長の日記(バックナンバー)

医療の無印良品をめざす(2008/03/04)

話し下手な自分は、人前での発表がたいへん苦手です。一方、書いて意志を伝えることは時間をかけて考えることが出来るので、口下手な自分でも出来る意思疎通の方法です。その点でインターネットという媒体はすごく好きで、当院のホームページを作る前から趣味のページやヤフーのブログなどはやっていました。でも自分でホームページを簡単に作れるようにパソコンが得意なわけではありません。この仕事のページもインターネット関連の仕事を本業としている高校時代からの親友の力で立ち上げてもらい、管理も一切お任せの状態です。管理はお任せでも、内容に関しては自分で書かないことにはどうにもなりませんので、親友からは何度も催促されていました。自分でもどうしたものかと不思議だったのですが、何故か筆が進まず、どんどん時が過ぎていきました。

開業当初は、建設会社や銀行との交渉など慣れない仕事が山積みで慌ただしかったことはありますが、それを乗り切ってしまえば時間の余裕は出てきます。患者さんも開業のはじめからそんな大勢来てくれるわけではありませんから、時間的には余裕がある時期だと思いますが、何故かじっくり机に向かって考えたり文章を書いたりすることが出来ないでいました。要するに落ち着かない時期を過ごしていたわけですが、そろそろ4ヶ月になろうとする今、やっと文章が書けるような気分になってきました。本当は、このページを通して患者さんや自分の友達やここを訪問してくれる方々といっぱいコミュニケーションを取ろうと思っていたのですから、やっとこれから本当の意味で船出です。

まず開業医というものを4ヶ月弱やってみて思うことは、これは素晴らしい仕事を始めたなということです。筑波大学は確かに立派で素晴らしい大学で、自分もその一員として多少は頑張ってきたつもりですが、器が立派すぎるためにいつも引っかかっているものがありました。それは患者さんが自分に来てくれているのか筑波大学に来てくれているのかという疑問で、多分それはどちらもありなのだと思います。しかし今の環境は、言うなれば無印良品の心境です。この無印は患者さんと医師の信頼関係構築には極めていいことなのです。開業以来私は、患者さんは自分を信頼して来てくれているのだという喜びに満たされています。患者さんに信頼されることが、医師にとっては何よりの褒美なのだと言うことです。同時に、その信頼に応えなくてはならないという責任感で張りつめた状態でいます。せっかくそんないい精神状態をもたらしてくれた開業医生活なのですから、新しい患者さんとの出会いを楽しみながら、本音でじっくりと話し、自分に出来る範囲でお役に立ちたいと考えています。

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